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なんぼ版「椰子の実」について

バンド「なんぼなんでも」
11 /01 2007
 ジャズとボサノバを中心に演奏するバンド「なんぼなんでも」の原点となった曲に「椰子の実」がある。御存知、有名な唱歌の「椰子の実」。「なんぼ」オリジナルアレンジの「椰子の実」は、ピアノの田中啓三と私が、夜の三時ぐらいまでスタジオに籠もってアイデアを発展させた結果、初期バージョンのアレンジが完成した。

 音楽の作業でいちばん楽しいのは、こうしてアイデアを形にしていく過程なのかも知れない。「あーでもないこーでもない」と言っているうちに数時間はあっという間に過ぎ去ってしまう。


 「椰子の実」で大切にしたのは「遠い国から浜辺に流れついた椰子の実」のイメージだった。イントロの部分はそのイメージを拠り所とした完全即興。一つのコードだけを決めておき、演奏者各自が「流れついた椰子の実」をイメージしながら、周囲の音を耳で確かめつつストーリーを創造していく。これは非常にスリリングな作業である。


 これをメンバー各自に説明するのが簡単でもあり難しくもある。「何それ?」って言われたら終わりだ。それ以上説明する余地もない。


 楽曲というものには、便宜上コードネームが記されているが、本来、どうイメージしていくかが演奏者の務めだと思う。ジャズで陥りがちな罠は、コードがイメージを凌駕してしまい、あたかもコードにフレーズをあてはめる作業に追われてしまう点だ。これは本末転倒で、コードはハーモナイズする上での便宜上の取り決めに過ぎない。先立つのは飽くまでもイメージであろう。


 即興演奏で譜面を使わないということは、イメージを持つ責務をまっとうすることに他ならない。


 「即興」を謳うなんぼの立ち位置を明確にする上でも、この曲はやって良かったと思う。メンバーの一部ですら理解を得られなかったのだから、聴いている人達はどうだったのだろうかと疑問だが、このように白いカンバスに絵を描いていくような方法論は、やはり音楽の原点だと思う。


 「統一されたイメージを音で描く」点は、現在の「なんぼ」にやや欠けている部分だろう。良く言えばまっとうになってきた。ミュージシャンたるもの、曲を演奏する際には何らかのイメージを持って欲しいものである。

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jazz bird

ライフワークはジャズ・トランペット。好きなトランぺッターはトム・ハレル、チェット・ベイカー、パオロ・フレス、市原ひかりさん、山本ヤマさんetc.夏の海が好き。

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