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高知には「Guild」というジャズ・コミュニティがある

ジャズ
05 /13 2007
 ジャズのいいところは初対面の者同士でも、「ミスティ、キーはEbで、テンポ70ぐらい」と言うだけでその場で演奏できてしまうところだろう。ピアニストのコード遣いの癖やグルーブ感覚の違いなど、多少の慣れを必要とする部分はあるが、基本的には曲名、キー、テンポを設定すればあとは音でコミュニケートしていけばOKだ。あとは初対面の人間を前に吹くか吹かないかが問題。吹けるか吹けないか、ではなくて吹くか吹かないか。これが案外ジャズ演奏を楽しめるかどうかの分かれ目になるような気がする。実際にセッションして楽しかったかどうかは別問題だ。

 2006年3月、妻と高知市を訪れた。同市在住のジャズテナー奏者・井上省三氏に会うのが旅の目的だった。井上氏のBLOG「JAZZ天動説」によると、氏は1949年高知生まれで、高校在学中から演奏活動を開始。高知市役所職員として働きながら32年間アマチュアバンドのリーダーとして活動後、50歳を契機に辞職。プロのジャズマンになる。2003年には全編オリジナル曲による初アルバム「You can touch my eyes」を発表、月一の定期ライブのほかに様々なステージをこなしつつ現在に至る―普通に考えると、50歳できっぱり市役所を辞めるのが凄い。このあたりの年齢で職場を辞めて議員になる人は多いがジャズマンになった人は聞いたことがない。そういう意味でも一度お会いしてみたかった。さらに井上氏はジャズ教室の教え子さんたちで構成される「Guild」というグループを組織。先進地視察ではないけど、どうやったら地方ジャズが活性化するのか、その取り組みを訊いてみたかった。

 高知市に到着後、さっそく井上氏の店舗兼スタジオを訪ねる。いきなり土佐弁の洗礼を受けた(当たり前か)。熱さとクールさを兼ね備えたような感じの人で、理路整然としたトークの中にしばしばユーモアが混じる。厳しさの中にも暖かさが感じられるお人柄だったが、相手に強いるような圧迫感を与えない点が特に印象的だった。これ、指導者として重要な要素だと思う。「できてもできなくても、生徒さんにはテンポ300の曲をやってもらっています」というようなことをソフトにきっぱりと言われる(笑)実際に早い曲なんてできてもできなくても普段からそのテンポに慣れていくことが重要。しかしながら、音楽の先生は「200ができるようになってから」「とりあえずスケールをマスターしてから」などと、段階的な方法論に陥りがちだ。かといって、300に対峙する生徒の方も、最初は相当に勇気が要る訳だから、そんな時に「ソフトな強制」が必要となってくる。それをさりげなく実践されているところが凄いな~と思いました。

 そのように、いわば実践的なジャズ指導で、初心者の生徒さんを育成。一曲吹けるようになると月一のライブでステージを経験させるという。ライブのお客様はリピーターが多く、「Guild」のメンバーの成長を見守るような温かさがあるという。実践的指導→ライブ→バンドメンバーに育てられる→お客様に育てられる→バンドメンバーにフィードバックといった流れで良い循環の輪が形成されている。手短に書くと簡単そうだが、よほどの忍耐、ジャズへの愛着がないと難しいだろう。そんな過程を経たメンバーで吹き込んだ初アルバム「You can touch my eyes」は感動的だ。ボサノバを主体としたオリジナル曲はどれも美しく、まるでスタンダード曲の如し。

 ちょうどその頃に私たちも「なんぼ」を結成。頭の中で描いていたバンドのイメージが高知訪問で明確になった。バンド、というかコミュニティーのようなものを目指したのが、私の「なんぼ」のコンセプトだった。言葉で説明するのは難しいけど、要は「上手くなりたいと思う前提で、音楽を楽しみたいメンバーの集まり」みたいな(ちょっと違うか)。


氏は「お客様を『客』と言ってはいけません。『お客様』です」など、プロ・アマを超えたミュージシャンとしての心構えにまで踏み込んで指導されていた。私も練習や定期ライブに参加し、とても楽しい時間を共に過ごさせて頂いた。この時の体験を通して「ステージを勤める」ということを学ばせて頂きました。
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コメント

非公開コメント

初めてコメントさせていただきます。
すごい情熱ですよね。
結局は一人の情熱がどこまでかってことですね。そして、その情熱に触れ、どれだけの人が付いてくるかですね。
この地にもそういう方が現れることを期待します。

井上さんをはじめ、GUILDの皆さんはとても暖かいです。2泊3日の高知遠征は、初日からリハーサル、二日目はライブ、三日目はスタジオでみっちり練習と、充実していました。しかも三日目は奥さんの手料理まで馳走になってしまいました。まだメニュー覚えてたりします(笑)

GUILDとの出会いは、大学4年の8月。これまで吹奏楽やクラシックをやっていた中で、ふと音楽を楽しめなくなっていた時期があり、悶々としていた日々を送っていました。

GUILDのライブをみて、とても素直な気持ちで音楽を楽しめ、聴くことができました。GUILDの皆さんとの出会いに感謝。
でも、JAZZは難しいですよぉ~。苦笑。

jazz bird

ライフワークはジャズ・トランペット。好きなトランぺッターはトム・ハレル、チェット・ベイカー、パオロ・フレス、市原ひかりさん、山本ヤマさんetc.夏の海が好き。

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