スポンサーサイト

スポンサー広告
-- /-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

トランペット考

ボサノバ&MPB
02 /15 2011
 つくづくトランペットは難しい楽器だと、アマチュア・トランペッターの方は思われませんか。相変わらず音楽と疎遠な生活を送っていてライブなどすっかり過去のことになった感もあるが、たまにはトランペットのことを考えている。
 思うに、プロはさておき、アマチュア・トランペッターはサックスなど他の楽器と比べると極端に層が薄いのではないか。そう思う根拠は、全国のジャズ・バーを訪れたり、昔東京の大学の某ジャズ部に在籍して周囲を見渡した時に、アマチュア・トランペッターでジャズの達者な人にほとんどお目にかかったことがないからだ。上手い人は管楽器で言えば、ほぼサックス系に集中していた。

 サックスとの大きな違いは、リードの付いたマウスピースをくわえて音を出すか、マウスピースに唇を当てて唇でリードを成型して音を出すかという音を出すシステムそのものの違いだと思う。実にこの点で日本人の顎、歯を含めた骨格が大きなハンディキャップになっているという事実が、アマチュア層の薄さに反映されているものと推察する。

 サックスは葦を加工して作ったリードを留め金でマウスピースに固定して、マウスピースに息を吹き込むことでリードが振動し、音が出る。これに対して、トランペットは、唇そのものを震わして、震えたままの状態でマウスピースを通して音を出す。つまり、リードやリードの留め金に当たる歯を自分の意志で選択する余地がないということだ。それだけに、持って生まれた唇や歯、顎の形が楽器を操る技術にかなり大きな影響を及ぼすと言っても過言ではない。日本人は唇がやや厚く、歯が大きく、下顎が下がっている人が多く、トランペットを吹く上でもともとハンディキャップがある。例えば、チェット・ベイカーなどの普段の横顔を見るとかなり下顎が突き出していて、唇の薄さからも、ごく自然にトランペットが吹けたのだと想像できる。

 この点を押さえておかないと、練習すれども上手く吹けず、悩み抜いた末にやがて挫折する道を辿ってしまう。悪いことに、無理すればある程度は音が出てしまうから、訳の分からない根性論を持ち出されたりしてしまう。ブラスバンド部で腹筋何百回とか走りこみを生徒にさせているケースなどを聞くと、暗澹たる気持ちになる。根拠の無い精神論よりも、まずは合理的な吹奏理論を指導するべきではないのか。

 そもそも、バックを買ったらもれなく付属する7C。バックではスタンダードとされる型番だが、未だに7Cでジャズを上手に演奏する人を見たことがない。いたら教えてもらいたい。

 皮肉なことに、先天的要素がこれだけ吹奏に影響すると、上手い人は割とさして苦労せず吹けてしまうので、何で吹けないかということが理解できないことが多い。自分がこれまでやってきた練習法を、肉体的な条件が違う人に対してもそのまま適用してしまうため、根本的には上達しないまま、やがて挫折してしまう。

 それでもトランペットを選んだのは、それほど先天的な条件が影響するものとは知らなかったせいもあるが、トランペッターが好きだったから、というのが大きな理由だ。やはり、トランペッターの音の個性は際立っていて、ルイ・アームストロングやマイルス、チェット・ベイカーなどを聴くと、同じトランペットとはにわかには信じ難いほどトーンが異なっている。そしてミュートを使った表現のヴァリエーションなど、ほかのどの楽器よりも聴いていて面白く、幅広い表現ができると思っている。

 などと考えてみたが、何しろ現在休養中。音楽を語るのも唇寒し、だ。練習したいなと思うこともあるが、どうせできないので、興味も薄れつつある状況だ。なるほど、こんな感じで音楽から遠のいていくんだな。バンドにしても、長ければ長くなるほど自分にフィットしない部分がクローズアップされ、しまいには嫌気が差すのがおちだし、将来的には音楽とは全然違う、まったく異なる分野の活動を展開した方がいいのではないかと思ったりもする。ここまでくれば一度完全に音楽からフリーになって、他のことに力を注いでみるのもいいかも知れない。新しい扉を開くためにも。

 

 
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: No title

 励ましのお言葉有難うございます。JAZZと手を切るというのはちょっと大袈裟な表現でしたが、あまりにも楽器を構えない状況に陥るとたまにやさぐれてそういう気持ちになったりします。それなりの防音室が完成すれば、また状況も違ってくるのでしょう。自然な流れを受け入れなければと思っています。周囲が音楽に取り組んでいると何だか妙な焦りも感じたりして(苦笑)できる時にやればいいですし、できなければやらなければいい。ちなみに、サックスという楽器の難しさも理解しているつもりですので念のために。

jazz bird

ライフワークはジャズ・トランペット。好きなトランぺッターはトム・ハレル、チェット・ベイカー、パオロ・フレス、市原ひかりさん、山本ヤマさんetc.夏の海が好き。

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。