楽譜をコピーしたら共謀罪?

その他
04 /22 2017
 共謀罪が国会で審議入りしている。過去何度も廃案となった法案だが、テロ等準備罪と一見、庶民には関係ないような名をまとって再び提案された。いずれにしても組織的な重大犯罪を計画、準備した段階で罰せられるということに変わりはなく、実際に犯罪が実行され、結果が生じない限りは罪に問われないという刑法の原則を根底から覆す法律だ。

 4月21日の法務委員会では(TV中継しないからネットで見ている)、質問に立った民進党の枝野議員が興味深い質問をしていた。「オーケストラのメンバーが著作権法違反と知りながら楽譜をコピーして使うのは共謀罪に問われるのかどうか」との内容。
 
 つまり、それが違法であることを認知しながら、オーケストラという組織ぐるみで楽譜を違法コピーして使うのは共謀罪に該当するのではないかということ。分りやすい例えだと思う。

 これに対する答弁は、「犯罪行為が目的ではないため(演奏するのが目的)共謀罪には当たらない」というような内容だった。

 こんな質疑応答が国会でなされるとは、10年前は想像すらできなかった。世の中ずいぶんと変わったものだ。仮にそんなことが共謀罪の対象になれば、大方の演奏家は摘発されることになるだろう。当然、楽譜をコピーする目的は演奏するためであって、「著作権違反」それ自体が目的ではない。

 しかしこの時ふと思ったのは、仮に反体制的な曲を演奏する目的でメンバーが集まって演奏を計画した場合はどうなのだろうか。例えば、国家が気に入らないとの意思で、マックス・ローチの「We insist!」を演奏しようと譜面をコピーして、演奏することで反体制思想の流布を目指すという強力な意思を持ったバンドであれば、もしかすると将来は共謀罪の対象となってしまうのかもしれない。対象を広げられる可能性は十二分にあるし、どこまで明文化するかによって解釈を拡大できる余地も十二分にあると思う。

 皆さんも法務委員会をご覧になるといい。与野党で議論がかみ合わない、どころか、与党の法務大臣は答弁能力すら無く、これが国会かと驚かれるに違いない。

  

 
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jazz bird

ライフワークはジャズ・トランペット。好きなトランぺッターはトム・ハレル、チェット・ベイカー、パオロ・フレス、市原ひかりさん、山本ヤマさんetc.夏の海が好き。