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百回聴けるアルバムを聴きたい

ジャズ
08 /10 2007
 特に時間を割いて深く研究している訳ではないけど、1980年代以降の音楽と、それ以前の音楽では質感というか、思想が異なるような気がしている。80年代の日本の印象的な出来事といえば、85年に電電公社が分割民営化され、翌年には国鉄が解体された。この頃、経済的にはバブルの真っ只中。今思い出しても正気の沙汰では無い事業・生活様式がはびこっていた。ときの首相は中曽根康弘(82―87年)で、この頃から軍事的・経済的に露骨にアメリカに協力姿勢を打ち出すようになったような印象を受ける。米レーガン~中曽根協調路線は、後のブッシュ~小泉を思わせる。アメリカ協調路線を推し進める首相は、経済的には規制緩和など、自由主義的発想に基づいた政策に走る。個人的には、そうした中で経済構造の変容が音楽、いや音楽産業に強い影響を与えているんじゃないかと推測する。



 1960年代後半から1970年代初頭にかけてのアメリカの音楽は、ベトナム戦争のカウンター・カルチャーとしての色彩が強く、より内省的な、いわば思想を持った曲などが多く創られた。当然、日本もその影響を受け、フォークなどの思索的な音楽が流行する。音楽的にはメロディを重視した曲が趨勢を占めている。


 80年代に入ると、音楽を取り巻く様相は一転。レコード媒体からからCD媒体への移行、シンセ音源の普及、アイドルの誕生などなど、よりポップな方向にシフトしていった。今で言うグローバリズムのさきがけとなる中曽根政権の政策によって、企業の利潤追求の姿勢が明確に肯定されるようになったのもこの頃ではないか。アメリカにおいては既にもっと以前からそうした傾向が見られる。


 アイドルの誕生は象徴的だ。それまでは、いくら商業音楽といえど、ミュージシャンを主体として音楽が成り立っていた(例え表向きでも)。だが、アイドルは、そのネーミングからして開き直ったもので、偶像、いわばコマーシャリズムによって仕掛けられたイメージの世界が主体となって物事が展開する。このあたりからレコード業界・プロダクション・テレビを中心とするメディアが一体となった動きが顕著になってくる。ミュージシャン=商品というスタンスだ。


 こうなると需要に見合ったイメージを維持できなくなったミュージシャン、歌手は必然的に用済みになってしまう。まるでコンビニ弁当のように、次から次へと新商品が出されては消え去っていく。経済原理に組み込まれてしまったのだから仕方がない。


 そもそもミュージシャンというものは、己の存在自体が香り立つようなイメージを放っているものである。イメージとは生き方そのもので、それが音となり聴く者を魅了する。本来、戦略によって作られるものではない筈だ。チェット・ベイカーのようなミュージシャンは二度と現れず「チェット・ベイカーの再来」ばかりが多産される昨今のジャズ・シーンは、いかにも寂しい。個人的にはミュージシャンの容姿なんかはどうでもいいんで、せめて百回は聴くに耐える音楽商品をリリースして欲しいものだ。
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コメント

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夏休み~♪

これすごいですよ!↓
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ヘプバンのコメント見たよ。同じくそう思った。

20年前のアイドルの音楽は意外と捨てがたい。
バッキングはジャズミュージシャンが多いから。
ところが'90年代の打ち込みダンス系がはやりだしてから、サウンドが一気に軽薄になった。
2000年からも大して違いは無く、ジャズミュージシャンの出番はさほど無い。
あっても数秒のフレーズをレコーディングして、ループさせるだけ。
唯一の救いはブラスバンドブームとクラシックブーム。特に管楽器演奏者の増加はジャズへの興味をもつ人が増えるのではなかろうか?
少し期待。

暑い~

なんかみつけました~ http://gabriel.s299.xrea.com/

正しくコンビニ音楽が氾濫しています。
やや刺激があるものの、大体4-5回聴いたら飽きてしまうものが多いと思います。だからこそ経済原理に沿うのでしょうね。
かつてローラースケートを履いて一世を風靡したグループがありましたが、バレンタインには4tトラック数台分のチョコレートが届いたとのこと。これだけ「認められた」ミュージシャンを今も応援している人は何人いるのでしょうか?
子供向けのお菓子には箱の8割がおもちゃ、2割がお菓子というものを見かけることがあります。現在の音楽業界に置き換えたとき、「お菓子」は「音楽」、「おもちゃ」は「…(想像ください)」。そんな商品があってもいいとは思いますが、どうも「…」しか評価できない消費者が多いのか、それとも売る側の問題なのか。

 そういえば「消費させるためにわざと飽きやすい音楽を作ってる」みたいな噂が囁かれたこともあった(笑)でもバッキングでもきちんと管楽器が入ってる音楽は、サンプリングした音と比べると、いかにもリッチだ。聴く側もそうした感覚に気付けば音楽と消費商品の違いが分かる筈。一方でジャズ業界も、潜在的な需要をいかに掘り起こすかが大切なんじゃないかと思う。最後は音楽に対する本気度が問われるのだろう。リスクをしょって何かを生み出す気概が、果たして業界にあるのか。

プアーなものしか与えられない(知らない)なかで育つと、そもそもリッチという概念は持ち合わせていないわけで、それが恐ろしいな。国策だったりして。

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ライフワークはジャズ・トランペット。好きなトランぺッターはトム・ハレル、チェット・ベイカー、パオロ・フレス、市原ひかりさん、山本ヤマさんetc.夏の海が好き。

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